忍者ブログ
  • 2017.09
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • 2017.11
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【2017/10/23 11:20 】 |
ナナイ記者の事件簿 FILE No.3
「冒険者たちの黄昏」その2

~お知らせ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

あら、おはよう。ん?何よ、今が昼であろうと夜であろうと業界人だったら
おはようが普通でしょう?まぁいいわ。

このお話も結構長めよ、紅茶でも飲みながら読んで頂戴ね。

何よ五月蝿いわね!!・・・あ、編集長・・・。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~












~ 2 ~ 依頼、そして誘惑

 

強引かつ自分勝手な展開により、なんとなく気が逸れてしまった俺たちは、
お互いに顔を見合わせつつ彼女についていくことになった。


 

0d87185b.jpeg





















もっとも俺は引っ張られてるわけだが。

 

二人とも、やれやれといった顔付きだったが、全くの同感だった。
 

しばらくそのまま歩くこと10分くらいだろうか、
この辺まで来れば大丈夫かなとつぶやきながら立ち止まり、
勢いよくこちらを振り向いた。

 

「いやー助かったよ。最近ストーカー被害にあっててね、まあ職業柄
仕方がないこととはいってもなかなかにしつこくってねー。それにさあ・・・」

 

・・・実際は彼女のマシンガントークは延々と続いたのだが、
ここで割愛させてもらう。

俺たちと同じ苦しみを味わう必要はないだろう。

 

要約すると逃げて逃げて、ここまで来てしまったこと、
仕事はイルファーロで記者をやっていること、
サンタ帽子は趣味なことなどを聞かされた。

 

1時間程一方的に話し続けた後に、
おそらく話疲れたのであろう俺たちのことを聞いてきた。


943f0cc2.jpg
























己心などについて懇切丁寧に説明したが、大して感銘を受けた様子もなく、
枝毛を探したり角の角度を気にしたりしつつ
適当に相づちを打たれる始末だった。

 

俺はやけに角の角度を気にする彼女を見て、
もしかするとあの角は作り物なのではないかと不信感を持ったが、
あえて口に出さなかった。

 

聞く気のない相手に説明をするという行為に嫌気がさしつつも、
俺たちは語り続け、相手も相変わらず角の角度を気にし続けるといった
不毛な時間も、話題が強盗計画に移った途端状況が変わった。


これまでの態度とうって代わり、彼女がやけに食いついてきたのだ。

 

・・・そのため、練習!とかリハーサルとか言ってごまかしていた
失敗談まで話す羽目になり、出来たばかりの新しいキズをさらけだす結果にもなってしまった。

 

そういうわけでここもまた割愛するが、口の悪いポークルシーフに
さんざんからかわれたあげくルートされたこと、
寡黙な魔法使いにあやうくローストされかけたり、
ヤリで貫かれそうになったり・・・と話しているうちに、
強盗団として働き出す前から苦労が絶えないことを改めて認識し、
あやうく涙がこぼれ落ちそうになるところだった。

 

「強盗団なんかしなくったって、もっといい話があるのにさ・・・。
聞きたい?聞きたいよね!?うーん、どうしようかな。
この情報結構高くついたんだよね~・・・。」

 

こいつ、ここまでの話を聞いていたにも関わらず、
清貧洗うがごとしな我々をまだゆすろうというのか・・・。


今更になって世間の厳しさや、そういや元々こいつを襲うつもりだったんだということまで思い出してきた。


声に出した訳ではないが、3人とも気持ちが同じであることは
目を見ただけで通じあった。

やはり団結には共通した敵が必要なんだな・・・。

 

「・・・実はね、ここチコルには隠された財宝が眠っているらしいんだよね。」
 

我々の固く結ばれた団結力をこの女記者に披露する前に、
彼女のマシンガントークが先に火を噴く。

彼女には、相手の気を逸らすスキルが
備わっているのではないかと、心底疑った。

 

「もともとここって金持ちの道楽で建てられたお墓なんだよね?
だからそういったものが眠ってたって全然おかしくないし、これだけの
規模の建物だからきっと!きっと財宝ザクザクだよ!4人が遊んで暮らせるだけのお宝であることは・・・まあ言うまでもないよね。」

 

っと、すべてさらけだし、語りつくした人間のシメの言葉とも思えないが、
確かに魅力的な話であった。


気の乗らない強盗稼業を続けるよりも、トレジャーハンティングのほうが
よほどモチベーションも上がるというものだった。


勝手に人数が1人増えてることも、
無言でスルーできるだけの高揚感があった。

 

「しかし、そんな財宝がこれまで見つかっていないというのも不思議な話ですね。よほど見つかりにくい場所にあるのか、それとも・・・それとも危険な場所であるのか。そのあたりの情報は何か無いのですか?」
 

常に冷静で、柔らかい物腰を崩さないマッピーであるため、
あやしい女記者が相手でも丁寧な口調だった。


確かにそうだ。モンスターが徘徊してるとはいえ、これまで数多くの冒険者や探検家が出入りしてるはず。それでも見つかっていないということは、それなりの理由があってしかるべきだ。

 

「ふふふ・・・。いいところに気付いたね、キミ。もちろん、それなりの理由が存在していて、それなりに値の張った情報だったというわけさ!それをただで聞こうとは・・・まだまだ世間慣れしてないね、キミ。」
 

・・・やっぱこいつだけは襲っておいたほうがいいんじゃないかと
半ば本気で思いだしてきたが、そこはマッピー、常に冷静だ。


それもそうですね、しかし私たちに声をかけるということは
1人で行くことが出来ないからではないのですか?
と切り返し、おそらく今世紀初ではないのだろうか、
この口から生まれたであろう女記者をだまらせるという快挙を達成した。


 

「・・・なかなかするどいね、キミ。」
 

「私のことはマッピーと呼んでください。」
 

さすがにキミキミ呼ばわりは、この温厚な紳士にも耐えがたいことであったらしい。ここにきて即座に訂正した。
 

「おっけー、マッピー。キミの言うとおりだよ。
私ひとりじゃ危険過ぎて行けないのがひとつ。
そしてその財宝は隠し部屋と言われる部屋に隠されているらしいんだけど、
まあ隠されてるから隠し部屋なんだよね。
ともかく、その入り口は今やガレキの下らしくって、
これも私1人じゃどうしようもないんだよね。するどい!
なかなかのスルドサだね、ツッピー・・・じゃないマッピーだっけ。」

 

・・・こいつは話した先からすべて忘れていってるんじゃないか。
ここまでくると、少なくとも表面上は温和な態度を崩さないマッピーに対して
なにか神々しいものさえ感じるようになってきた。

 

「つべこべ言ってないで、さっさと行こうじゃないか!場所はわかってるんだろ?だったら行ってみて考えたって遅くはないだろうよ!」
 

・・・これまで静かだったのが不思議だったくらいの勢いでアッキーのアネゴがまくしたてた。





f9285f69.jpg





 



















「さあ、もったいつけずにさっさとその場所をお言い!
きっちりケジメつけてやるからさ!!」

 

もはや、目的すら霞んでしまいそうな物言いではあったが、
不毛な討論を終えて行動にうつる契機にはなった。

 

我々はあやしい女記者の、信憑性に欠ける話に乗ってお宝探し・・・
もといトレジャーハンティングへと歩き出したのだった。

 

・・・人生とは一寸先は闇なのか光なのかはわからなかったが、
そのうち結果が出そうな気が予感がし、しかも闇のほうに分がありそうで
やけに不安であった。

 


~ 3 ~ 財宝、危機一髪
 

「おいおい…何だよこの惨状は…。」


うなだれた俺の前にあるのは
道であったであろう場所に立ちふさがる瓦礫の山々・・・。

 

目的の場所までは、順調すぎるくらい順調に辿りつくことが出来た。
隠し通路やモンスタールームといった特別な場所があるわけでもなく
普通に通路を通り、扉を開け、橋を通り過ぎた。


もちろん、それまでの間に何度もモンスターの襲撃に合いはしたが。

 

我々からすれば、ここチコルでは強敵と呼べるモンスターなど存在しない。
と思っていた。しかし身内にこそ凶悪な敵がいたのである…
そう、記者のアイツ…名はナナイとか言っただろうか?

一応ダンジョンだというのに、
武器や道具を持っていないときたもんだ。本人曰く


「記者はいつでも動けるよう身軽にしておくものなのよ?」


フフンッと鼻を鳴らしたくらいにして、
そんな奴に自分を抑えるのに苦労する場面がたびたびあった。


そのたびにこれから目にするであろうお宝と、
今後の生活に思いを馳せ、からくも耐えるかくも財宝とは偉大である!

 

・・・とにかく、そうして今に至る目的の場所だ。
 

柱の残骸や、石壁がそのまま倒れてきたらしく
とても女性の細腕ではどけることなど出来ないだろう。


俺やマッピーだって難しいんじゃないか?
とにかく、お宝とご対面する為にはどかしきるしかない。


ここは覚悟を決めて作業にとりかかることにした。

 

・・・しかし、そんな懸念は無用だった。
一般的にヒューマンに比べてドワーフは力持ちだ。


といってもそれはあくまで「力持ち」程度の話だと思っていた。


剥がれ落ちた壁材の石レンガ1つをやっとで持ち上げていた俺に対して
、折れた石柱や大きな床板をひょいひょいとかついでどかしていくマッピーを見て唖然とするしかなかった。

 

・・・確かドワーフとヒューマンのハーフだって話だったが、
ここまですごいとは思ってもみなかった。


ハーフっていうのは互いの種族のいいとこ取りって聞いたことあるが、
それ以上の科学反応でも起こしてるんじゃないかと考えたがあえて口には出さなかった。

 

「おぉ~!すごい力持ち!やっぱ声かけてよかったよ。
それに比べて・・・まあ人それぞれだよね。」

 

俺と同じ感想を口にする、女記者ナナイ。
後半部分は余計だったが。俺にしてみれば現場に到着した途端、
どかっと座り込んだまま全く手伝う気配を見せないその態度の方に唖然とするよ。

 

意外だったのが魔法で瓦礫を壊し、
少しずつではあるが運んでいくアッキーだ。


・・・口調とは裏腹に、かなりまじめな性格なんだなぁってことに驚かされた。


魔法って便利だな。俺も覚えてみたいが転職って結構お金がかかるんだよな・・・。

 

2時間程かけてある程度の瓦礫は撤去することができた。
もちろん、まだまだ瓦礫は山済みであったが作業を中断したのには理由があった。

 

通路から少し奥まった床に穴があるのを発見したのだ。
マッピーがその力を余すとこなく、ひびだらけの床板を持ち上げたところ、四角い形状の穴を床に見つけた。


そして、その中心にひとつの宝箱が置かれている。

 

「ん?みなさん見てください!ここに箱がありますよ。」
 

マッピーの声も少しうわずっている様子。
腹が減っているのに加えてこの肉体労働だ。体の節々は痛いし全身の筋肉も悲鳴をあげており、正直もうヘトヘトではあった。

だが俺はそれすら忘れておぉぉ!と声を上げてその場に駆け寄る。


アッキーも本当かい!苦労のかいがあったねぇ!叫びながら近寄ってきた。

 

女記者ナナイはというと、・・・すでにその場にいた。離れた場所に腰を落ち着けて、角の角度を気にしながらあくびをしていたとは思えないすばやさだ。
 

「あった・・・。本当にあったんだ!やったぁー!」
 

・・・おい、ちょっとまて。まさかお前はこの瞬間まで信じてなかったのか?そんな不確かな情報で俺たちに肉体労働を強いていたのか?
このまま何も発見できなかったらどうするつもりだったんだ。
あれー?ここじゃなかったのかな?
とか言いながらごまかすつもりだったのか!


いろいろな思いが頭の中を全速力で駆け巡ったが、口には出さなかった。

 

穴はそれ程深くはなさそうだが、それでも2mくらいはありそうだった。
 

この場で一番身長が高いというだけの理由により
俺が宝箱を穴から持ち出す係を仰せつかることとなった。


仕方なく穴に飛び降り、慎重に宝箱を観察した。
・・・詳しくは分からなかったが罠は無さそうで、
鍵がかかっているだけのようだ。


それでもそっと宝箱を持ち上げ、穴の上にいるマッピーへと手渡す。


マッピーが俺以上の慎重さで宝箱をこの崩れた通路の外に持っていくと、
他の2人もその後についていったおかげで、穴から出るのに苦労すること
になったことを俺は誰にも話さなかった。

 

その為、ヨロイを着たまま穴から這い出るという行為が恐ろしく大変だという経験を積むことになるとは・・・。


もし機会があるなら1度やってみることをお勧めする。


瓦礫を2時間かけてどかす事の方が
どれ程楽であったかということを体験できるはずだ。

 

飛び降りる行為の数十倍の時間をかけて、それでもなんとか這い上がり、
ふらふらになりながらも通路から出ることに成功。


再び崩れてきても、生き埋めになることは回避できそうだな・・・。


そして、これで全て終わる。
後は宝箱の中身を確認し、山分けの相談をするだけなのだから。

 

・・・俺は宝箱を開けて大喜びしている3人の姿を想像していた。
もちろん、その場に俺がいないことをすっかり忘れて狂喜する姿を。


しかし現実は違った。神様は俺の想像を全力で裏切ることに喜びでも見出しているのではないかと本気で思えてならない。

 

通路の先では、宝箱をまるで覆い被さる様に抱きついている
女記者ナナイと、厳しい目つきで武器をかまえる2人の姿が見えた。


その視線の先には、黒いクロークを身につけ、
やけに装飾された杖を背負っている大柄の男らしき者がたたずんでいる。


らしきというのには理由があり、
目以外の顔を隠すように覆面をかぶっているせいなのだが・・・。

 

「フフフ・・・どうやらうまく箱を掘りだせたようだな、ナナイ。
なかなか手際がいいじゃないか。」

4e06d983.jpeg
































・・・低く抑制のとれた声で、ゆっくりと語りかける覆面男。
この時点で男であることが俺の中で確定した。
覆面男はこっちに一瞥をくれただけでまた女記者ナナイの方に向き合い、

 

「ご苦労だったな。悪いがその箱は俺様が頂く。・・・もともと私の物だしな。」


続く

 

拍手[3回]

PR
【2012/03/22 20:37 】 | メンバー日記 | 有り難いご意見(1)
<<ナナイ記者の事件簿 FILE No.3 | ホーム | ナナイ記者の事件簿 FILE No.3>>
有り難いご意見
つっぴーw
つっぴーって…w
【2012/03/22 23:32】| | matilda #986e64c3ae [ 編集 ]


貴重なご意見の投稿














<<前ページ | ホーム | 次ページ>>